25日の香港市場は買い先行も、神経質な値動きか。前日の欧米市場は大幅高。欧州主要市場がそろって急伸したほか、NY市場もダウ平均が今年2番目の上げ幅を記録し、ナスダックが最高値を更新。仏大統領選の第1回投票で欧州連合(EU)支持派のエマニュエル・マクロン元経済産業デジタル相が得票率で首位となったことで安心感が広がった。また、トランプ米大統領が26日にも税制改革案を公表するとみられる。良好な外部環境が香港市場を下支えよう。
一方、きょうは北朝鮮の朝鮮人民軍創設記念日に当たり、地政学的リスクが意識されそうだ。米原子力空母カール・ビンソンを中心とした米艦隊が朝鮮半島近海を目指す中、記念日に合わせ北朝鮮が核実験やミサイル発射実験など新たな挑発行為に出る可能性もあり、半島情勢の緊迫感が再び高まれば投資家のリスク許容度が低下し、相場のボラティリティが高まる可能性がある。このほか、原油安や、中国金融当局の監督・管理強化を背景に本土市場がこのところ軟調な値動きが目立っていることも相場の重しになろう。
なお、24日の香港株の米国預託証券(ADR)は、時価総額上位のHSBC(
00005)、テンセント(
00700)、中国建設銀行(
00939/
601939)、AIAグループ(
01299)が香港終値を上回った半面、石油メジャーのCNOOC(
00883)、ペトロチャイナ(
00857)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を100ポイント近く上回る水準で寄り付くことになる。