20日の香港市場は軟調な展開か。北朝鮮情勢を巡る地政学リスクを嫌気する売りが先行しそうだ。来日中のペンス米副大統領は19日、「北朝鮮は最も危険で差し迫った脅威だ」と述べた。朝鮮人民軍の創設記念日「建軍節」を25日に控え、市場は北朝鮮による再度のミサイル発射実験を警戒している。23日にはフランス大統領選が実施されるなど欧州政局の不透明感も意識されるだろう。また、中国当局が金融業界の監督・管理を全面的に強化するとの観測が投資家心理を悪化させている。19日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が大幅に3日続落したことも、関連銘柄の売り材料となるだろう。
ただ、ハンセン指数は前日までの3日続落で心理的節目の24000ポイントを割り込み、3月15日以来ほぼ1カ月ぶりの安値圏にあるだけに、値ごろ感に注目した買いが入りやすい。中国の国務院(内閣に相当)が19日に3800億元規模の減税を決めたことも好感されるだろう。同日開幕した上海国際自動車ショーを手掛かりに関連銘柄を物色する動きもありそうだ。
19日のNY株式相場は、ダウ平均が0.58%安と続落した半面、ハイテク株の比重が高いナスダック総合は0.23%高と反発した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、銀行株のHSBC(
00005)や中国建設銀行(
00939)、中国石油メジャーのCNOOC(
00883)、中国IT大手のテンセント(
00700)などが香港終値を下回って引けた。