11日の香港株式市場でハンセン指数は4営業日続落。前場終値は前日比0.72%安の24088.46ポイントだった。H株指数は0.86%安の10165.98ポイント。メインボードの売買代金は概算で768億800万HKドル。
ハンセン指数は小高く寄り付いた後、序盤はおおむねプラス圏での小動きだったが、日本時間の午前11時過ぎごろに急落した。およそ7分間で200ポイント超の下げ。シリアや北朝鮮を巡る地政学的リスクへの警戒感が高まる中、相場は神経質な値動きとなり、一時は狼狽売りの様相を呈した。24050ポイント付近では下げ渋ったものの、大引けにかけて指数は下値圏で推移した。週末から始まるキリスト受難節とイースターマンデーの連休を控え、リスク回避の姿勢が鮮明。後場序盤には一時下げ幅を広げ、心理的節目の24000ポイントに迫る場面もあったが、同水準付近では底堅かった。
ハンセン指数構成銘柄では、中国建設銀行(
00939)、中国銀行(
03988)、中国人寿保険(
02628)など本土系金融株が下げを主導。中国保険監督管理委員会トップの失脚が引き続き嫌気されているほか、この件に関連し銀行業監督管理委員会が不正行為の取り締まり強化に乗り出したとの報道も投資家心理を悪化させた。石油関連株も安い。証券会社による目標株価の引き下げを売り材料に昆侖能源(
00135)が5%近く下げたほか、石油メジャーのシノペック(
00386)、ペトロチャイナ(
00857)、CNOOC(
00883)がそろって売られた。パソコン大手のレノボグループ(
00992)、自動車メーカーの吉利汽車(
00175)は続落した。半面、アップル関連銘柄の瑞声科技(
02018)が逆行高。時価総額上位のHSBC(
00005)もおおむね小高い水準で推移し、相場をある程度支えた。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、9銘柄が上昇、2銘柄が変わらず、39銘柄が下落した。
H株では、「雄安新区」関連銘柄の北京金隅(
02009)が反落したほか、石化プラントのシノペック煉化工程(
02386)、セメント製造設備の中国中材(
01893)がさえない。大唐国際発電(
00991)、華能国際電力(
00902)など電力株も軟調。半面、自動車大手のBYD(
01211)、長城汽車(
02333)が上昇。上海市が新エネルギー車の地方補助金対象車種(第1弾)を公表したことが材料視されたもよう。前日まで大幅続落の山東墨龍石油機械(
00568)に買い戻しが入った。軍需関連の中船防務(
00317)も堅調だった。H株指数を構成する40銘柄のうち、2銘柄が上昇、3銘柄が変わらず、35銘柄が下落した。