中国の共産党と国務院が河北省保定市の「雄安新区」設立を決めたことを受け、週明け3日の香港市場で関連銘柄が高い。建材株や不動産株が買いを集めているほか、同新区が首都圏再開発の一環と位置付けられたことで、河北省や北京市、天津市に拠点を置く銘柄にも思惑買いが入っている。3日付『香港経済日報』が挙げた主な関連銘柄は次の通り。
「雄安新区」には北京の非首都機能が移管される見通しで、保定市と周辺の土地を持つ企業が注目を集めている。中国恒大集団(
03333)は昨年、廊坊発展(600149)株を段階的に買い増しして持ち株比率20%の大株主になっており、低コストで雄安新区内の土地を取得したもようだ。また、中国宏泰(
06166)は河北省の張家口市と石家荘市でプロジェクトを進め、国瑞置業(
02329)は同省廊坊市に支社を持つ。ただ、中国政府は投機対策として同新区内の不動産売買を禁止しているため、株価の先行きは不透明だ。
「雄安新区」の建設にあたっては、交通網の整備が重点の一つとなることから、都市軌道交通を手掛ける北京城建設計発展(
01599)が参画するとの見方が浮上している。また、同新区は海に面していないため、天津港が港湾機能を担う見込み。天津港発展(
03382)や同社大株主の天津発展(
00882)、さらに天津創業環保(
01065)、天津津燃(
01265)、天津銀行(
01578)などの天津銘柄が注目されている。
建材では、首都圏を地盤とする北京金隅(
02009)が最大の恩恵を受けそうだ。同社は昨年、冀東発展集団と唐山冀東セメント(
000401)を傘下に納め、首都圏セメント市場のシェアが55%に達した。また、河北津西鋼鉄集団に出資している中国東方集団控股(
00581)も恩恵を受ける銘柄の一つ。
このほか、河北省を本拠とする銘柄として新天緑色能源(
00956)、北控水務集団(
00371)がある。長城汽車(
02333)は保定市に製造拠点を持ち、新奥能源(
02688)は河北省が営業基盤だ。
日本時間午後4時43分現在、関連銘柄の値動きは次の通り。
■北京金隅(
02009):4.27HKドル(前営業日比32.20%高)
■天津港発展(
03382):1.55HKドル(同17.42%高)
■天津創業環保(
01065):4.70HKドル(同11.64%高)
■新天緑色能源(
00956):1.68HKドル(同12.00%高)
■北控水務集団(
00371):6.11HKドル(同6.08%高)