29日の香港市場は欧米株高の流れ引き継ぎ買い先行で始まるか。28日の欧州主要市場ではドイツ株が大幅反発し年初来高値を更新したほか、ロンドン株も上昇した。また同日の米株市場ではダウ平均が9営業日ぶりに反発。前日まで8日続落した反動や米景況感の改善を好感した買いが広がった。外部環境の好転に加え、香港市場では企業の決算発表が終盤を迎え、個別銘柄の物色も引き続き活発となり相場を支えよう。きょうは、中国中車(
01766)、新華人寿保険(
01336)、馬鞍山鋼鉄(
00323)などが2016年12月本決算を発表する。
なお、28日の香港株の米国預託証券(ADR)は時価総額の大きいHSBC(
00005)、テンセント(
00700)や、中国石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、中国工商銀行(
01398)など本土系金融大手がそろって香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を100ポイント余り上回る水準で寄り付くことになる。
一方、上値を追う動きは限定的か。トランプ米大統領が医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案を撤回したことで、今後の大型減税などの実現性を不安視する声が強まるなか、投資家は積極的な姿勢を取りにくい環境にある。