23日の香港市場は神経質な展開か。「トランプ相場」に陰りが見える一方で新興国からの資金流出懸念が後退するなど、強弱材料が交錯する方向感に乏しい相場となりそうだ。米国ではトランプ米政権が提出する米医療保険制度「オバマケア」代替法案の審議が難航し、市場では看板政策である減税の実施が遅れるとの警戒感が広がっている。中国での資金需給の引き締まりや住宅価格抑制措置の強化も嫌気されるだろう。半面、米長期金利の低下と米ドル安を受け、資金が米国へ還流する懸念は薄らいだ。また、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が米時間23日に講演する予定で、米利上げの行方を見極めたいとして積極的な売買を控える投資家もいるだろう。
22日のNY市場は高安まちまち。ダウ平均は6.71米ドル安(−0.03%)とほぼ変わらずで終了。S&P500は0.19%高と5日ぶりに反発し、ハイテク比率の高いナスダック総合は0.48%高と反発した。また、同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、時価総額の大きいHSBC(
00005)やテンセント(
00700)が香港終値を下回った半面、AIAグループ(
01299)、中国平安保険(
02318)などが上回って引けた。
香港市場では決算発表がピークを迎え、業績を手掛かりに個別銘柄を物色する動きが中心になると予想する。22日大引け後にハンセン指数構成銘柄のテンセントと中国平安保険、長江和記実業(
00001)、長江実業地産(
01113)が2016年12月決算を発表した。23日は中国中信(
00267)、華潤電力控股(
00836)、CNOOC(
00883)、チャイナ・モバイル(
00941)、中国人寿保険(
02628)が決算発表を予定している。