キングソフト(
03888)が21日大引け後発表した2016年12月本決算で、純損益は2億7100万元の赤字となった(前年は3億6900万元の黒字)。赤字転落の主因は、米ナスダック上場の迅雷有限公司と21ヴィアネット・グループ(世紀互聯)の株価下落に応じて減損引当金を計上し、営業外その他損失が11億8900万元に上ったこと。本業は好調で、売上高は前年比46%増の82億8200万元、営業利益は79%増の9億7300万元となった。
部門別では、オンラインゲーム部門の売上高が、新たに投入した「剣侠情縁1」モバイル版と人気ゲーム「剣網3」の貢献で86%増の25億4600万元と大幅に増えた。子会社のチーター・モバイルが手掛ける情報セキュリティーおよびネットサービス部門の売上高は22%増の44億4900万元。モバイル端末向けの広告事業やカジュアル・ゲーム、コンテンツ・アプリの成長が寄与した。クラウドサービスおよびオフィスソフトウエア部門の売上高は99%増の12億8800万元と急成長した。
半面、売上原価が2倍に膨らみ、粗利益率は68%と前年比で9ポイント低下した。利益率低下の主因は、クラウドサービスとチーター・モバイルの利用拡大に伴い、帯域確保とインターネットデータセンターのコストが増加したこと。チーター・モバイル提供のツールとコンテンツ・アプリに関するトラフィック獲得コストやコンテンツ・コスト、さらに「剣侠情縁1」モバイル版のシェア・コストもかさんだ。
キングソフトの株価は日本時間午後3時44分現在、前日比2.40%高の19.66HKドルで推移している。