22日の香港市場は米株安の流れ引き継ぎ売り先行で始まると予想する。21日の米株市場でダウ平均は4日続落し、2月17日以来ほぼ1カ月ぶりの安値を付けた。米長期金利の低下を背景に、収益拡大への期待が後退した金融株が売られ、相場を圧迫した。市場ではトランプ政権の通商政策が具体化するまで積極的な買いに動きにくいとの声も聞かれる。加えて、香港市場は前日までの4連騰で、2015年7月31日以来およそ1年8カ月ぶりの高値を更新した後とあって、利益確定売りが出やすい相場環境にある。
このほか、21日の香港株の米国預託証券(ADR)は、時価総額の大きいHSBC(
00005)、テンセント(
00700)、チャイナ・モバイル(
00941)や、本土系金融大手の中国工商銀行(
01398)、中国人寿保険(
02628)などを中心に、ハンセン指数構成銘柄が軒並み香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を240ポイント近く下回る水準で寄り付くことになる。
ただ、売り一巡後は底堅く推移すると予想する。足元の米長期金利の低下を背景に、新興国からの資金流出懸念が和らいでいることや、上場企業の決算発表がピークを迎えるなか、決算内容や業績見通しを手掛かりとする活発な個別物色などが相場を支えよう。本日はテンセント、吉利汽車(
00175)、長江和記実業(
00001)などが決算を発表する。