21日の香港市場は上値の重い展開か。前日のNY市場でダウ平均は小幅ながら3日続落。トランプ政権による経済政策や先行きの金融政策を巡る不透明感から積極的な買いは限られた。需給緩和への警戒感を背景に原油相場が弱含んだことや複数の地区連銀総裁から利上げ継続を支持する発言が伝わったことも重荷となった。米株安に加え、香港市場では前日終値が2015年8月10日以来約1年7カ月ぶりの高値を付けただけに、利益確定売りも出やすい状況にある。
一方、上場企業の決算発表がピークを迎える中、決算内容や業績見通しを手掛かりとする個別銘柄の物色が引き続き活発となり、相場を支えよう。きょうは電能実業(
00006)、長江インフラ(
01038)、チャイナ・テレコム(
00728)、中国建築国際(
03311)、恒基兆業地産(
00012)、華能国際電力(
00902)、キングソフト(
03888)などが決算を発表する。また、前日の深セン市場を通じた香港株の買い越し額が深センと香港市場の相互取引「深港通」の開通以来の最高水準を更新した。本土マネーの流入が加速しているとの思惑が投資家心理の改善につながりそうだ。
20日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。欧州金融大手のHSBC(
00005)、本土系銀行の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、石炭の中国神華能源(
01088)などが香港終値を下回って引けた半面、石油メジャーのCNOOC(
00883)、通信キャリアのチャイナ・モバイル(
00941)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)などが香港終値を上回って終えた。