16日の香港株式市場でハンセン指数は3日ぶりに大幅反発。終値は前日比2.08%高の24288.28ポイントだった。H株指数は2.47%高の10526.46ポイント。メインボードの売買代金は概算で1022億HKドルと1000億HKドルの大台に乗せ、2月15日、同月16日に次ぐ今年3番目の大きさだった。
ハンセン指数は寄り付きからほぼ全面高の展開。本土市場が上昇したこともあって後場に上げ幅を広げ、終値ベースで2015年8月11日以来約1年7カ月ぶり高値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が15日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通り利上げを決めたものの、今年の利上げ回数を3回とする従来の金利政策見通しを維持したことで買い安心感が広がった。主要通貨に対する米ドル相場の下落に伴い、新興市場からの資金流出懸念が後退した。一方、中国人民銀行(中央銀行)はきょうの公開市場操作と中期貸出制度(MLF)で銀行に供給する短期・中期資金の金利を引き上げた。金融引き締めへの警戒感から前場にハンセン指数が上げ幅を縮小し、寄り付きで回復していた24000ポイントに迫る場面があった。もっとも、利ざや改善や投資収益の拡大が期待できる金融株に買いが入ったほか、原油先物相場の反発を受けたエネルギー資源株の上昇が相場を押し上げた。
個別では、時価総額が大きいテンセント(
00700)、AIAグループ(
01299)が3%近く上昇して相場をけん引。本土系金融株の中国工商銀行(
01398)や中国人寿保険(
02628)、中国石油メジャーのCNOOC(
00883)、石炭大手の中国神華能源(
01088)も高い。チャイナ・ユニコム(
00762)は5.23%高と急伸した。前日大引け後に発表した期末決算は9割超の減益だったものの、前年に計上した鉄塔会社の売却益を除いた実質では黒字転換との見方から買われたもよう。一方、ハンセン指数を構成する50銘柄のうち下落は2銘柄のみ。空運のキャセイ・パシフィック(
00293)と、前引け後に期末決算を発表した太古A(
00019)が続落した。
H株では、発電大手の華能国際電力(
00902)、不動産開発大手の万科企業(
02202)が大幅高。中国銀河証券(
06881)や華泰証券(
06886)など証券株の上昇も目立つ。中国の李克強首相が15日の全国人民代表大会(全人代)閉幕後の記者会見で、香港と中国本土の間で債券の相互取引を年内にも始めると述べ、材料視された。半面、大唐国際発電(
00991)や広州汽車集団(
02238)が軟調だった。