10日の香港株式市場でハンセン指数は反発。終値は前日比0.29%高の23568.67ポイントだった。H株指数は0.26%安の10069.10ポイント。メインボードの売買代金は概算で685億8600万HKドル。
ハンセン指数は小反発でスタートした後、前場半ばから前引けにかけてマイナス圏に沈む場面もあったが、それ以外はプラス圏でもみ合った。前日の終値が約1カ月ぶり安値を付けただけに優良銘柄を中心に買い戻しが優勢。決算内容などを手掛かりに個別銘柄を物色する買いも相場を支えた。ただ、米国の利上げ判断材料となる2月の米雇用統計の発表を控え、様子見気分が根強かった。中国の2月物価統計を受けて浮上した消費減速懸念が引き続き意識されたほか、中国人民銀行(中央銀行)が9日夕方に発表した2月の金融統計で社会融資総量やマネーサプライM2などが市場予想を下回り、当局のデレバレッジ(資産・負債の圧縮)を進める姿勢から流動性悪化への警戒感もくすぶり、H株指数は続落した。
ハンセン指数構成銘柄では、朝方軟調だった大型株のテンセント(
00700)とAIAグループ(
01299)が次第に上げ幅を広げ、相場の上昇に寄与した。2016年12月本決算業績が予想を上回った不動産系コングロマリットのワーフ(
00004)が9%近い上げ。香港不動産株の恒基兆業地産(
00012)、恒隆地産(
00101)などもつれ高した。ゴールドマン・サックスが「中国のローエンド自動車製造業者から世界の主流自動車メーカーに転身しつつある」と評価し、強い買い推奨を継続した吉利汽車(
00175)が後場から急伸した。半面、米原油先物相場が約3カ月ぶりの安値を付けたことで石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、CNOOC(
00883)、シノペック(
00386)が続落したほか、石炭株の中国神華能源(
01088)の下げがきつかった。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、21銘柄が上昇、6銘柄が変わらず、23銘柄が下落した。
H株では、上海市場で6カ月ぶりにA株の取引を再開した洛陽ガラス(
01108)が約15%の大幅高。広州汽車集団(
02238)、長城汽車(
02333)など自動車株が買われたほか、原油安を背景に中国東方航空(
00670)、中国国際航空(
00753)など航空株も堅調。半面、造船大手の中船防務(
00317)、海運の中遠海運控股(
01919)、コンテナ大手の中国国際コンテナ(
02039)、風力発電の龍源電力(
00916)が下げた。H株指数を構成する40銘柄のうち、12銘柄が上昇、7銘柄が変わらず、21銘柄が下落した。