9日の香港株式市場でハンセン指数は4日ぶりに反落。終値は前日比1.18%安の23501.56ポイントだった。H株指数は1.79%安の10095.79ポイント。メインボードの売買代金は概算で708億7300万HKドルと、4日ぶりに700億HKドルを上回った。
ハンセン指数は安くスタートした後、下げ幅を広げる展開となった。前日の米株安や原油安が嫌気されたほか、寄り付きとほぼ同時に発表された中国の2月消費者物価指数(CPI)上昇率が市場予想を大幅に下振れたことを受けて消費減速への懸念が地合いを冷やした。米国の3月利上げ観測が高まる中で新興国市場からの資金流出も改めて意識され、利上げ判断材料になる2月の米雇用統計の発表を10日に控え、投資家はリスク回避の姿勢を強めた。23500ポイント付近では下げ渋ったが、終値は2月8日以来、1カ月ぶりの安値を付けた。
ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、上昇はマカオカジノのサンズ・チャイナ(
01928)の1銘柄のみ。石炭の中国神華能源(
01088)や本土系不動産の華潤置地(
01109)の下げが目立ったほか、6日からハンセン指数構成銘柄となった吉利汽車(
00175)が利益確定売りに押された。米在庫増を嫌気し前日のNY市場で原油相場が3カ月ぶり安値に下落したことを受け、石油メジャーのシノペック(
00386)、CNOOC(
00883)、ペトロチャイナ(
00857)がそろって大幅安。本土系金融の中国建設銀行(
00939)、中国人寿保険(
02628)やIT大手のテンセント(
00700)など主力株も総じて売られ、指数を押し下げた。
H株では、建材株の中国建材(
03323)、中国中材(
01893)の下げがきつい。2社は親会社で国有建材大手の中国建材集団有限公司と中国中材集団有限公司の経営統合が完了したと発表したが、材料出尽くしで売られた。海運の中遠海運控股(
01919)、製紙メーカーのチェンミン・ペーパー(
01812)、石炭のエン州煤業(
01171)も大幅安。H株指数を構成する40銘柄のうち39銘柄は下落。前日に安かった株洲中車時代電気(
03898)が逆行高を演じた。