9日の香港市場は米株安や原油安を嫌気し売り先行で始まるか。8日の米株市場はダウ平均が3日続落。建機のキャタピラーが不正会計の報道を受け急落し、相場を押し下げた。原油安を背景に石油株が売られたのも重荷だった。発表された米石油在庫統計で原油在庫が市場予想を大幅に上回って増えたことで需給バランスの悪化懸念から原油相場は3カ月ぶり安値に下落した。香港市場でも関連株への売りが予想される。このほか、米利上げの判断材料になる2月の米雇用統計の発表を10日に控え、様子見気分も強まりそうだ。
一方、売り急ぐ動きは限られるとみる。中国では全国人民代表大会が開催中であり、中国の政策への根強い期待を背景に恩恵を受けそうな銘柄への買いが下値を支えよう。決算発表や業績見通しを材料視した個別銘柄の物色も引き続き活発になろう。
8日の香港株の米国預託証券(ADR)は時価総額の大きいHSBC(
00005)、テンセント(
00700)、中国の通信キャリア大手のチャイナ・モバイル(
00941)のほか、中国石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、シノペック(
00386)、中国本土系金融大手の中国工商銀行(
01398)、中国人寿保険(
02628)などが軒並み香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を120ポイント超下回る水準で寄り付くことになる。