1日の香港株式市場でハンセン指数は5営業日ぶりに小反発。終値は前日比0.15%高の23776.49ポイントだった。H株指数は0.10%安の10287.98ポイント。メインボードの売買代金は概算で762億200万HKドル。
ハンセン指数は方向感に乏しい展開。高く寄り付いた後、前場と後場の序盤にマイナス圏に沈む場面もあったが、おおむねプラス圏の狭いレンジでもみ合った。米トランプ大統領が初めて臨んだ議会演説で、「歴史的な税制改革」や1兆米ドル規模の巨額インフラ投資などに触れ、金融市場が期待する経済成長重視の姿勢を改めて示したものの、演説を受けて今夜のNY市場の反応や「トランプ相場」の行方を見極めたい投資家も多く、様子見ムードが続いた。もっとも、下値は限られた。前日まで4営業日続落し、値ごろ感から買い戻しが入りやすい状況にあるほか、朝方に発表された2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上振れたことも投資家心理をある程度下支えた。
ハンセン指数構成銘柄では、2016年12月本決算が予想を上回ったマカオカジノの銀河娯楽(
00027)や同業のサンズ・チャイナ(
01928)が大幅高。2月のマカオカジノ収入の伸びが堅調だったことも材料視された。同じく好決算を発表した新鴻基地産(
00016)も高い。米国の早期利上げ観測の高まりを受けて欧州金融大手のHSBC(
00005)や、東亜銀行(
00023)、中銀香港(
02388)、ハンセン銀行(
00011)など香港銀行株が上昇した。半面、中国建設銀行(
00939)、中国平安保険(
02318)など本土金融株や華潤置地(
01109)など本土不動産株が総じて売られ、相場の足を引っ張った。石油メジャーのシノペック(
00386)、ペトロチャイナ(
00857)、CNOOC(
00883)もそろって安い。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、28銘柄が上昇、2銘柄が変わらず、20銘柄が下落した。
H株では、インフラ建設株が高い。2016年の新規受注実績と2017年通期目標を発表した中国交通建設(
01800)が8%近い上昇となったほか、中国中鉄(
00390)、中国鉄建(
01186)なども軒並み買われた。中国で大気汚染対策として複数の都市で鉄鋼やアルミの生産規制が強化されたと伝わり、需給ひっ迫観測からアルミ大手の中国アルミ(
02600)、鉄鋼大手のアンガン・スチール(
00347)が大幅高。半面、小売りの聯華超市(
00980)、通信キャリアのチャイナ・テレコム(
00728)、ビールメーカーの青島ビール(
00168)がさえなかった。H株指数を構成する40銘柄のうち、20銘柄が上昇、3銘柄が変わらず、17銘柄が下落した。