14日の香港株式市場でハンセン指数は5営業日ぶりに小反落。終値は前日比0.03%安の23703.01ポイントだった。H株指数は0.03%安の10254.44ポイント。メインボードの売買代金は概算で855億900万HKドル。
ハンセン指数は小動きに終始した。小安く寄り付いた後、序盤は下げ幅をやや広げたが、その後は戻して前日終値付近でもみ合った。前日までの4営業日続伸で指数が約4カ月ぶりの高値圏にあるだけに利益確定売りが出やすい状況。寄り付きとほぼ同時に発表された2017年1月消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)がともに市場予想を上回り、インフレ圧力を警戒する中国当局の金融引き締めへの懸念が意識され、重しとなった。また、15日までに中国の1月マネーサプライなど金融統計が発表されるほか、米国ではイエレン連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を14−15日に控えており、内容を見極めたいという投資家心理も働いた。ただ、3月の全人代開催を前に政策期待が根強く、下値は限られた。
ハンセン指数構成銘柄では、原油相場の反落を受けて石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、シノペック(
00386)、CNOOC(
00883)がそろって安い。時価総額上位のAIAグループ(
01299)、チャイナ・モバイル(
00941)も売られ、指数を押し下げた。きょう特別配当の権利落ち日を迎えた香港公益株の電能実業(
00006)や前日に買われた衛生用品大手の恒安国際集団(
01044)、乳飲料メーカーの中国蒙牛乳業(
02319)も下げが目立った。半面、前日に安かったマカオカジノのサンズ・チャイナ(
01928)、銀河娯楽(
00027)が大幅反発。アップル関連銘柄の瑞声科技(
02018)が高い。中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)など本土系銀行株も総じて堅調。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、26銘柄が上昇、5銘柄が変わらず、19銘柄が下落した。
H株では、中国の1月新エネルギー車の販売台数が前年同月比74.4%減少したと伝わり、自動車大手のBYD(
01211)、広州汽車集団(
02238)が売られた。金相場の下落を背景に招金鉱業(
01818)など産金株が軟調だったほか、大唐新能源(
01798)、華能新能源(
00958)など風力発電大手の一角もさえない。半面、通信設備の中興通訊(
00763)が急伸。中興通訊は前引け後、同社に対する輸出規制措置を巡り、和解に向けて米商務省、司法省、財務省と交渉を進めていると発表した。H株指数を構成する40銘柄のうち、16銘柄が上昇、2銘柄が変わらず、22銘柄が下落した。