10日の香港株式市場でハンセン指数は3日続伸。終値は前日比0.21%高の23574.98ポイントだった。H株指数は0.50%高の10125.21ポイント。メインボードの売買代金は概算で856億1200万HKドル。前日を下回ったものの、高い水準を保った。
ハンセン指数は高く寄り付き、終始プラス圏でもみ合った。前日のNY市場で米トランプ政権による減税政策への期待が高まり、ダウ平均が2週間ぶりに過去最高を更新。良好な外部環境に加え、香港市場で今週半ばから売買代金が顕著に膨らんだことから、中国本土からの資金流入が加速しているとの見方が広がり、地合いが改善した。日本時間の正午に発表された2017年1月の中国貿易統計は輸出、輸入ともに市場予想を上回ったことも買い安心感につながった。指数は取引時間中として昨年10月11日以来、約4カ月ぶりの高値を更新。ただ、高値警戒感に週末要因も加わり、終盤には上げ幅を縮めた。
ハンセン指数構成銘柄では、前日に軟調だった欧州金融大手のHSBC(
00005)が1%を超す上げとなり、指数を押し上げた。NY市場で原油先物が大幅上昇したことを受け、石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、CNOOC(
00883)、シノペック(
00386)が買い戻された。乳飲料メーカーの中国蒙牛乳業(
02319)、石炭の中国神華能源(
01088)、港湾の招商局港口(
00144)も上昇が目立った。半面、前日大幅高となった婦人靴チェーンの百麗国際(
01880)、本土不動産株の華潤置地(
01109)、中国海外発展(
00688)、香港不動産の信和置業(
00083)が利益確定売りに押された。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、35銘柄が上昇、2銘柄が変わらず、13銘柄が下落した。
H株では、鉄鋼の馬鞍山鋼鉄(
00323)、アンガン・スチール(
00347)が高い。証券大手の強気判断を手掛かりにコンテナ海運大手のチャイナ・コスコ(
01919)が買われ、コンテナ製造世界最大手の中国国際コンテナ(
02039)も大幅高。中国交通建設(
01800)、中国鉄建(
01186)など鉄道インフラ株も堅調。半面、ビール大手の青島ビール(
00168)が5日ぶりに反落。大株主のアサヒグループホールディングスによる株式譲渡を巡る報道を手掛かりに買われていたが、利益確定売りが膨らんだ。不動産大手の万科企業(
02202)や、自動車の長城汽車(
02333)、BYD(
01211)も逆行安。ハンセン指数を構成する40銘柄のうち、28銘柄が上昇、1銘柄が変わらず、11銘柄が下落した。