10日の香港市場は欧米株高の流れを受け買い先行で始まるか。前日の欧州市場でドイツ市場とロンドン市場はそろって上昇した。NY市場でもダウ平均が1月26日以来2週間ぶりに過去最高値を更新。トランプ米大統領が近く税制を巡る計画を発表すると伝わったことを受け、米政権による減税が企業業績を押し上げるとの期待が強まり、買いが優勢となった。香港市場では中国本土マネーの流入が続いているとの見方が広がっていることも買い安心感を誘い、相場を支えよう。
ただ、上値は重い展開が予想される。週末要因に加え、ハンセン指数は前日、終値ベースで3カ月半ぶりの高値を付けた後とあって、利益確定の売りが出やすい相場環境にある。また、米トランプ大統領の政策運営を巡る先行き不透明感の根強さも、上値を抑える要因となろう。このほか、本日は中国の1月の貿易統計が発表予定で、数字が市場予想から大きくかい離すれば相場のボラティリティが高まる可能性がある。
なお、9日の香港株の米国預託証券(ADR)は時価総額の大きいHSBC(
00005)、テンセント(
00700)、AIAグループ(
01299)のほか、中国石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、シノペック(
00386)、CNOOC(
00883)がそろって香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を60ポイント余り上回る水準で寄り付くことになる。