8日の香港株式市場でハンセン指数は反発。終値は前日比0.66%高の23485.13ポイントだった。H株指数は1.11%高の9955.34ポイント。メインボードの売買代金は概算で892億3200万HKドル。
ハンセン指数は安く寄り付いた後、序盤は下げ幅を広げた。中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した1月末の外貨準備高が約6年ぶりに3兆米ドルの大台を割り込み、海外への資金流出に歯止めがかかっていない様子が浮き彫りになった格好で、資金流出加速への警戒感から売りが先行。ただ、下値支持線とみなされている10日移動平均(7日大引け時点で23194.44ポイント)付近では下げ渋った。前場中盤以降は本土系不動産セクターが上げ足を速め、これにけん引される形で指数が急速に下げ幅を縮小すると、本土銀行株など主力株にも買い戻しの動きが広がり、市場センチメントが上向いた。後場に入ると指数はほぼ一本調子で上げ幅を拡大し、昨年10月25日以来、3カ月半ぶりの高値で取引を終えた。売買代金も膨らみ、900億HKドル台に乗せていた昨年11月11日以来の水準となった。
ハンセン指数構成銘柄では、本土不動産の華潤置地(
01109)が7%近く上昇し、中国海外発展(
00688)が5%を超す上げ。モルガン・スタンレーが業界全体のバリュエーションが低水準にとどまっているなどとして、セクター投資判断を「アトラクティブ」に上方修正したことが手掛かりとなった。朝方軟調だった中国建設銀行(
00939)、アジア生保のAIAグループ(
01299)、欧州金融大手のHSBC(
00005)など金融主力株が買い戻され、相場の上昇に寄与した。香港証券取引所(
00388)も急伸し、5%近い上げで引けた。半面、マカオカジノの銀河娯楽(
00027)、サンズ・チャイナ(
01928)が大幅続落。資金流出の抑制に向けた中国当局の規制強化を警戒する売りに押された。婦人靴チェーンの百麗国際(
01880)、IT大手のテンセント(
00700)、石油メジャーのCNOOC(
00883)も軟調。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、36銘柄が上昇、2銘柄が変わらず、12銘柄が下落した。
H株では、広州富力地産(
02777)、首創置業(
02868)など不動産株に加え、長城汽車(
02333)、BYD(
01211)など自動車銘柄や華泰証券(
06886)、中国銀河証券(
06881)など証券銘柄が高い。建材の中国建材(
03323)、中国中材(
01893)も上昇が目立った。半面、産金の招金鉱業(
01818)が反落したほか、医薬卸売り大手の国薬控股(
01099)、風力発電の龍源電力(
00916)、インフラ建設の中国鉄建(
01186)もさえない。H株指数を構成する40銘柄のうち、30銘柄が上昇、4銘柄が変わらず、6銘柄が下落した。