8日の香港市場は売り先行で始まるか。中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した1月末の外貨準備高は、前月から123億米ドル減の2兆9982億米ドルとなった。3兆ドルの大台割れは2011年2月以来、約6年ぶりで、中国経済の鈍化懸念を背景とした海外への資金流出に歯止めがかかっていない様子が浮き彫りになった格好で、資金流出加速への警戒感から投資家がリスク回避の姿勢を強める動きにつながると予想する。また、足元で軟調に推移する原油相場が資源関連株の売りを誘う可能性がある。
一方、外部環境の改善を受け、売り急ぐ動きは限られると予想する。前日の欧州市場はドイツ株とロンドン株がそろって反発した。米株市場でもダウ平均が反発。企業業績が改善していることに加え、トランプ米政権の経済対策への期待が根強く買いが優勢だった。
なお、7日の香港株の米国預託証券(ADR)は総じて軟調。時価総額の大きいテンセント(
00700)、AIAグループ(
01299)のほか、中国石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、本土系金融大手の中国工商銀行(
01398)、中国人寿保険(
02628)がそろって香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を60ポイント余り下回る水準で寄り付くことになる。