2017-02-02 |
米国/業界動向/通信用機器 |
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16年10−12月期世界スマホ出荷 アップルが首位奪回、中国メーカー好調
米調査会社IDCが1日発表した2016年10−12月期の世界スマートフォン出荷量は前年同期比6.9%増の4億2850万台だった。メーカー別では米アップルが4.7%増の7830万台に伸ばし、5.2%減の7750万台に落ち込んだ韓国サムスン電子から首位を奪回した。ただ、市場シェアはアップルが18.3%(前年同期は18.7%)、サムスンが18.1%(同20.4%)となり、ともに前四半期から縮小。一方で中国メーカーの華為技術(ファーウェイ)、広東欧珀移動通信(OPPO)、維沃移動通信(vivo)の3社が大幅にシェアを拡大した。
華為技術の出荷台数は38.6%増の4540万台で、サムスンに次ぐ3位。市場シェアは10.6%と四半期で初めて2桁に乗せた。4位のOPPOは116.6%増の3120万台(市場シェア7.3%)、5位のvivoは104.7%増の2470万台(同5.8%)だった。IDCの調査責任者は、中国3社が手ごろな価格の良質な製品を幅広くそろえ、中国市場でサムスンに迫っていくとみており、低価格製品だけでなく高級品でも強力なライバルになると評価した。ただ、サムスンやアップルを乗り越えて業界トップに躍り出るためには、ホームグラウンドである中国本土の外で成長する必要があるとした。
2016年通期の世界出荷量は14億7060万台と、過去最高を更新した。ただ、前年比伸び率は2.3%で、前年の10.4%から急減速した。メーカー別では、サムスンは「ノート7」品質問題が響いて3.0%減の3億1140万台にとどまったものの、首位を維持。2位のアップルは7.0%減の2億1540万台に落ち込んだ。「iPhone」出荷数の前年割れは初めて。3位華為科技は30.2%増の1億3930万台、4位OPPOは132.9%増の9940万台、5位vivoは103.2%増の7730万台だった。
IDCは2017年の出荷量伸び率が小幅に改善すると予想している。「iPhone」の出荷が増えるほか、中東及びアフリカ市場(MEA)と南米市場が成長軌道に戻り、全体を押し上げる見通しとした。