24日の香港市場は買い先行か。トランプ米大統領は23日、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱に関する大統領令に署名したほか、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉も近く始める見通しとなった。NY市場は新政権の保護主義的な通商政策への警戒感と先行き不透明感から反落し、主要通貨に対して米ドル売りが強まった。米長期金利の指標となる10年物国債利回りも続落(価格は続伸)。米ドル安と長期金利の低下は新興国からの資金流出懸念を和らげ、香港市場の地合い改善につながる。
ただ、買い一巡後は上値の重い展開か。米新政権の政策運用を見極めたい投資家も多い上、春節(旧正月)連休を控えて市場の様子見ムードが根強い。新規材料に欠ける中、上値追いの動きは限られると予想する。
23日の香港株の米国預託証券(ADR)は欧州の銀行最大手HSBC(
00005)や中国石油メジャーのCNOOC(
00883)、ペトロチャイナ(
00857)、IT大手のテンセント(
00700)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)などが香港終値を上回った。半面、香港不動産の新鴻基地産(
00016)、カジノ大手のサンズ・チャイナ(
01928)、アップル関連銘柄の瑞声科技(
02018)などが香港終値を下回った。