11日の香港株式市場でハンセン指数は5営業日続伸。終値は前日比0.84%高の22935.35ポイントだった。H株指数は0.72%高の9733.90ポイント。メインボードの売買代金は概算で697億9700万HKドル。
ハンセン指数は高く寄り付いた後、上げ幅を広げた。中国の経済指標の改善や新興国から米国への資金還流懸念の後退が投資家心理の好転につながったほか、このところ相場が堅調に推移していることもあり、市場センチメントは強気に傾いている。ただ、指数が2016年12月8日以来、約1カ月ぶりの22900ポイント台に乗せると、上値の重さも目立った。トランプ次期米大統領による当選後初の公式会見を控え、内容を見極めたいという投資家も多い。指数は中盤以降、おおむね高値圏でもみ合った。
ハンセン指数構成銘柄では、証券大手の強気見通しを手がかりに、香港地場系の新世界発展(
00017)や本土の華潤置地(
01109)など不動産株が総じて高い。NY市場でハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数が4日連続で過去最高値を更新した流れを引き継ぎ、IT大手のテンセント(
00700)が大幅続伸。時価総額上位のHSBC(
00005)、チャイナ・モバイル(
00941)、中国建設銀行(
00939)、AIAグループ(
01299)もそろって買われ、相場を押し上げた。半面、前日に高かった台湾系食品メーカーの中国旺旺(
00151)が反落。通信キャリアのチャイナ・ユニコム(
00762)が続落した。原油安を嫌気して石油メジャーのシノペック(
00386)、ペトロチャイナ(
00857)も逆行安。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、39銘柄が上昇、3銘柄が変わらず、8銘柄が下落した。
H株では、鉄鋼の馬鞍山鋼鉄(
00323)、アンガン・スチール(
00347)が6%を超す上昇。先物相場の上昇に加え、中国当局が今年6月末までに鉄スクラップなどを原料とする劣質鉄鋼の生産を全面禁止すると伝わり、需給改善への期待が高まった。非鉄金属の中国アルミ(
02600)、江西銅業(
00358)も大幅高。半面、親会社の混合所有制改革について現時点で具体的な改革案は策定していないと説明した中国南方航空(
01055)が反落した。同業の中国東方航空(
00670)、中国国際航空(
00753)もつれ安。ハンセン指数を構成する40銘柄のうち、30銘柄が上昇、2銘柄が変わらず、8銘柄が下落した。