10日の香港株式市場でハンセン指数は4営業日続伸。終値は前日比0.83%高の22744.85ポイントだった。H株指数は0.64%高の9664.19ポイント。メインボードの売買代金は概算で622億8700万HKドル。
ハンセン指数は前日終値をわずかに上回る水準で寄り付いた。その後は上げ幅を広げ、今日の高値水準で取引を終えた。終値は2016年12月9日以来、約1カ月ぶりの高値。寄り付きとほぼ同時に発表された2016年12月の中国の生産者物価指数(PPI)上昇率が5.5%となり、予想の4.6%を上振れたほか、2011年9月以来の上げ幅を記録。経済指標の大幅改善で中国経済の減速懸念が後退し、買いを誘った。また、米長期金利の下落を受けて、新興国から米国への資金還流に対する警戒感が和らぎ、投資家心理の改善につながった。
ハンセン指数構成銘柄では、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)が大幅続伸。NY市場でハイテク株の比率が高いナスダック指数が過去最高値を更新した流れを引き継ぎ、IT大手のテンセント(
00700)が上昇し、指数を押し上げた。時価総額上位の中国建設銀行(
00939)も堅調。このほか、婦人靴大手の百麗国際(
01880)や、香港地場系銘柄のワーフ(
00004)、ホンコン・チャイナガス(
00003)の上昇が目立った。半面、原油相場の急落を嫌気し、石油株のCNOOC(
00883)が売られた。チャイナ・ユニコム(
00762)など通信株が安い。欧州金融大手のHSBC(
00005)も軟調。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、43銘柄が上昇、1銘柄が変わらず、6銘柄が下落した。
H株では、当局が医療体制改革推進の第13次5カ年計画(2016−20年)を公表したことを受け、国薬控股(
01099)などの医薬株が大幅高。証券会社による目標株価の引き上げを手掛かりに自動車の長城汽車(
02333)が買われた。インターネット企業の出資受け入れを含め、2017年に混合所有制改革を進める方針を示した中国南方航空(
01055)が5%超の上昇。半面、前日に高かったビール大手の青島ビール(
00168)が反落。風力発電の龍源電力(
00916)も逆行安を演じた。H株指数を構成する50銘柄のうち、32銘柄が上昇、3銘柄が変わらず、5銘柄が下落した。