中国の国務院（内閣に相当）は26日、観光業の第13次5カ年計画（2016−20年）を発表した。2020年までの目標として、観光客数67億人（うち国内観光64億人、インバウンドとアウトバンドがそれぞれ1億5000万人）、投資額2兆元、総売り上げ7兆元を掲げた。観光に出かける人の数が年率10％で増え、観光業の総収入と直接投資の年平均増加率がそれぞれ11％超、14％超に達することになる。観光業の国民経済への総合貢献度は12％以上を目指す。

　国民の観光に対する満足度の向上も目標に盛り込んだ。観光地への交通網の整備、観光公共サービスの改善、休暇制度の拡充、市場秩序の確立、「トイレ革命」などで明確な成果を目指す。さらに、引き続きインバウンド観光を伸ばし、アウトバウンド観光を健全に発展させて先進国の観光業との差を縮めていくとした。

　5カ年計画に盛り込まれた主要措置は次の5項目。◇質の高い観光地を建設。リゾート開発、農村観光、中国共産党の革命の事績をたどる紅色観光の水準向上、マイカー旅行、海洋・海浜観光、氷雪地の観光、遊覧飛行などに力を入れる◇5大旅行都市群の強化など、観光地配置を見直す◇交通インフラ施設の建設を強化し、情報提供などの観光公共サービス体系を改善する◇消費と供給の両面から環境に配慮した観光を推奨する◇積極的なプロモーションで海外から観光局を呼び込み、本土と香港・マカオ、本土と台湾の観光業での提携を深化する。アウトバウンド観光の秩序ある発展を図る◇農村観光実施による貧困対策に力を入れ、観光業での創業と就業を推進。観光の安全保障ネットを構築し、旅行サービスの品質向上計画を実施する。