中国銀行業監督管理委員会と国家発展改革委員会、工業情報化部は16日、鉄鋼と石炭の生産能力削減と金融債権債務問題に関する措置を「意見」として公表した。生産設備を廃棄する過程で優良な企業の経営も圧迫されることに対応し、債務を株式に転換することを認めるなど金融面での支援を強化する。

　「意見」が各部門や地方、金融機関に指示した主な措置は次の通り。
◇技術力を備え、製品に競争力があり、市場を持つ鉄鋼・石炭会社について、銀行は融資を継続し、貸しはがしなどをしてはならない。
◇鉄鋼・石炭会社のM&Aを奨励する。銀行はシンジケート方式などでM&A資金の積極的に貸し出す。一定の条件を満たすM&Aについては、買収資金の70％まで借り入れることを認める。
◇主体的に生産設備の削減を進める鉄鋼・石炭企業の資金繰りが苦しい場合、銀行は債務再編に応じるようにする。
◇鉄鋼や石炭の違法な生産能力の増強に対する融資を禁止する。
◇経営再建が見込めない「ゾンビ企業」に対する金融支援は停止する。
◇金融資産管理会社や地方資産管理会社などが鉄鋼・石炭企業の債務株式化を実施することを指示する。対象は資産負債率が高く、国民経済で重要な位置を占め、成長力を秘める鉄鋼・石炭業界の中核企業とする。
◇産業基金やエクイティ投資ファンドによる鉄鋼・石炭業界の中核企業への投資を支持する。
◇生産能力を削減する過程で不当に金融債務から逃れようとする行為を取り締まる。